2026年(令和8年)年頭にあたって
(一社)日本百貨店協会 会長 好本 達也(J.フロント リテイリング株式会社 取締役)

さらなる進化に挑戦する』
作り手の情熱。使い手の感動。贈る人の真心。贈られた人の感謝。
店舗を愛する従業員の奮闘。店舗を愛してくださるお客様の支え。
百貨店は流通業ですが、私たちが動かしてきたのはモノやコトだけでなく、その根っこにある人の思いでした。
時代が変わり、その接点がオフラインからオンラインに移っても長きに渡って思いを紡いできた私たちだから成し遂げられる進化のカタチがあるはずです。
「人の力で心をつなぐ」百貨店の本分を今、新たなステージに。
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
会員店の皆様、関係先の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
2025年は世界の政治経済の不確実性が続く中、日本では少子高齢化の急速な進行、実質賃金の低下が続くなど、消費の力強さには欠ける状態です。また、生活者の消費行動の変容は一層顕著になっており、「こだわり」や「メリハリ」 消費、サステナビリティへの関心の高まりやデジタル化の進展などにより消費者の価値観は大きく変化しています。
このような環境変化の中、百貨店業界は「単に物を売る場」から「価値を創出する場」として進化し、業態価値を高めることが課題であると同時に、持続的な成長にむけた好機であると考えます。
当協会では「人の思いをつなぐ場としてさらなる進化に挑戦する」をスローガンに強化事業として以下のことに取り組んでいます。
まず「まちづくり事業」は、百貨店が地域のプロデューサー(編集者)として、地元の良いモノを発掘して付加価値を高め、地域の活性化に貢献したいという思いで取り組んでいます。単なるモノづくりに留まることなく、生産者等の思いやその背景にあるストーリーを紡ぐことでその価値を最大化するとともに、国内外に発信していきたいと考えています。
続いて「交流事業」では、百貨店の未来を担う若手育成を目指し、学びの機会の創出とネットワークづくりを目的とした活動を展開しています。多様なプレイヤーとのコラボレーションにより、百貨店業界ならではのカリキュラムを実践し、幅広い知識と技術の習得を目指しています。
さらに、専門家や関係省庁とともにAI等の最新技術を活用した未来の百貨店像を研究する「DX勉強会」では、データ分析に基づいたパーソナライズや仮想空間における店舗の可能性を研究しています。
最後に、「百貨店システムの効率化・共通化研究」では、地方百貨店が各社個別に利用契約を結んでいる基幹システムなどに関して、コストパフォーマンスを高め、百貨店の現場に即したソリューションシステムの構築を実現すべく研究しています。
百貨店は長い歴史の中で、「伝統と革新」のもと事業を続けて参りました。時代が変わっても変えてはいけない価値を維持しながら、時代の変化を先取りし柔軟に対応して参りました。
当協会は変化を恐れずさらなる百貨店の進化にむけて挑戦して参ります。
本年も皆さんのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上